新築時に地盤調査は必要?調査方法や費用、時間などを解説
こんにちは。イワクラホーム室蘭支店の今野です。
地盤調査とは、土地の地盤(地面の強さや構造)を調べることです。これにより、建物の安全性や基礎工事の方法を適切に決めることができます。
新築時に行う地盤調査にはいくつかの方法があり、費用や所要時間も方法によって異なります。
また、調査結果によっては、家の重さに耐えられるように地盤を補強する必要が出る場合もあります。
今回は、新築時に行われる代表的な地盤調査の方法を解説します。
地盤調査の必要性、かかる費用や時間、地盤改良の概要もご紹介しますので、ぜひあわせて参考にしてください。
新築時に行う地盤調査とは?
地盤調査とは、土質、地盤の状態がどうなっているかを確認する調査のことです。
法律的な実施の義務は定められていませんが、家を新築する際には、必ず行われるといっても過言ではありません。
強度の弱い「軟弱地盤」の土地にそのまま家を建ててしまうと、土地が家の重みに耐え切れず、地盤沈下を起こしたり、家が傾いてしまったりする可能性があります。
安全に家を建てるためにも、地盤調査の結果を踏まえて適切な基礎構造を総合的・専門的分析によって決定していきます。
新築戸建て住宅の安全性能・耐震性能などを保証するために地盤調査は必要不可欠な調査なのです。
また、新築工事の請負人など新築住宅供給事業者には、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、施工から10年以内における建物の不具合や欠陥について「瑕疵(かし)担保責任」があります(第94条)。
物件の問題について、10年間補修や損害賠償を求められる可能性があるので、新築前にきちんと地盤調査を行い、責任を問われるリスクを縮小するのが一般的です。
建築会社が瑕疵担保責任に備えるための保険に加入するにも、地盤調査は必須となります。
家を建てるために新しく土地を購入する場合、地盤調査は通常、土地の引き渡しが完了してから行われます。
土地の探し方については「注文住宅用の土地の探し方をご紹介!流れや注意点も確認」で詳しくお伝えしています。
これから土地の購入を検討される方はぜひあわせてご参照ください。
新築時の地盤調査方法
新築時の地盤調査方法として一般的なものは、次の3つが挙げられます。
- ・スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)
- ・ボーリング調査
- ・表面波探査法
1つずつ解説していきます。
スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)
スクリューウエイト貫入試験は、もともと「スウェーデン式サウンディング試験」と呼ばれていましたが、2020年10月26日のJIS改正で名称が変更されました。
この試験は、先端がスクリュー状の鉄の棒「ロッド」を使い、その沈み具合で地盤の硬さを調べる簡易な方法です。
調査手順
- 1.ロッドを調査ポイントに垂直に挿入
- 2.重りを徐々に載せ、荷重を増やしながら沈み具合を確認
- 3.一定の重りでも沈まない場合はロッドを回転させ、貫入するまでの回転数を計測
地盤が柔らかい場合は少ない重りでロッドが沈み、硬い場合は重りを増やしても沈みにくくなります。
調査の概要
- ・調査箇所数:敷地全体で4~5カ所が一般的
- ・所要時間:半日から1日程度
- ・費用:5~10万円程度(他の方法と比べて最も安価)
土地の詳細情報は調査できないため、比較的建物の重量が軽い、木造一戸建てを建てる際に用いられることが多いです。
イワクラホームでは、従来のSWS試験を進化させた「SDS(スクリュードライバーサウンディング)試験」を採用し、土質も含めた詳しい調査・解析を行うことで、安全な基礎構造を決定しています。
さらに、20年間にわたり地盤の品質を確実に保証する「地盤サポートシステム」を導入しており、保証期間は工事期間を含む引渡し日から20年間です。
このシステムは、地盤の不同沈下がない、安全な地盤品質を長期間にわたり保証します。
ボーリング調査
ボーリング調査は、機械で掘った穴を使い、地盤の硬さや地層の状態を確認する方法です。調査では、先端に「試験用サンプラー」を取り付けて穴の底まで下ろし、土のサンプルを採取します。
これにより、地盤の硬さや地下水位、地震時の液状化のリスクを調べることができます。
大規模な建物や高層ビルなど重い構造物の建設には、詳細な地盤データが必要なためボーリング調査が行われます。調査結果は精度が高いですが、費用が木造住宅で15〜30万円程度と高額で、調査に数日かかります。
調査箇所数は、木造住宅では1~2カ所、大規模建物では5カ所以上、地盤が不均一な場合はさらに増えます。
そのため、木造住宅ではコストや日数を考慮して採用されることは少ない調査方法です。
表面波探査法
表面波探査法とは、地盤の表面に波動を発生させ、その波動が地盤を伝わる速度を計測することで地盤の硬さや層構造を調べる非破壊調査方法です。
非破壊で比較的手軽に行え、短時間で広範囲の地盤の強度や均一性を確認できるのが特徴です。
また、騒音や振動が少ないため、住宅地や市街地での調査に適しています。
費用の目安は8~12万円程度、調査時間は数時間~1日と比較的早い時間で調査は完了します。
地盤調査により地盤改良が必要になったらどうする?
地盤調査の結果は報告書にまとめられ、地盤の強さや、「自沈層」と呼ばれる、重い物を置くと沈む層があるかどうかが記載されます。自沈層が見つかると、地盤を強化する「地盤改良」が必要になる場合が多いです。
ただし、調査結果に応じて最適な改良方法が異なるため、依頼主が希望する方法を指定することはできません。
地盤改良の費用は、土地の広さや状態によって変動しますが、かなりの金額がかかることが多いです。余裕を持って資金計画を立てるためにも、費用の目安を事前に確認しておくことが重要です。
地盤調査前に前もって近隣データを元に地盤改良が必要かどうか、必要な場合どれくらいの費用がかかるのかを知ることができるので、建設地が決まっている場合には予め予測しておくことができます。
主な工法は次の3つの工法です。
1.表層改良工法
地盤の表面部分を強化するための地盤改良方法です。
この工法では、地表から数メートルの深さまでの土を掘り返して、セメントや石灰などの材料を混ぜ込み、土を固めて強度を高めます。
主に軟弱な表層の地盤を強化するために使用され、住宅や小規模な建物に適しています。
2.柱状改良工法
地盤の深い部分を強化するための地盤改良方法です。この工法では、専用の機械で地面に縦穴を掘り、セメントや石灰などの固化材を注入して、地盤内部に強固な柱(改良体)を作ります。
これにより、軟弱な土の層を支える力を高め、建物の荷重を安定して支えることができます。
柱状改良は、深さが数メートルにわたる地盤の改良が可能で、特に軟弱地盤や不均一な地盤に適しています。
「表層改良工法」での地盤補強が難しい場合にはこちらの工法が採用されます。
3.鋼管杭工法
地盤が非常に軟弱な場合や深い層まで強固な支持地盤が必要な場合に使われる地盤改良工法です。
この工法では、鋼管製の杭(鋼管杭)を地面に打ち込んで、支持地盤まで到達させます。
鋼管杭は、内部が空洞になっており、強度が高いため、重い構造物を支えることができます。
鋼管杭工法は、特に深い支持層に到達する必要がある場合や、地下水位が高い場所、狭い場所での施工に適しています。
高層ビルや大規模建築物の基礎工事に多く使用されます。
新築時に地盤調査は必須!結果次第で地盤改良も必要となる
地盤調査とは、土質、地盤の状態がどうなっているかを確認する調査のこと。
法的な義務はありませんが、軟弱地盤の土地に家を建ててしまうと、地盤沈下や家の傾きが発生する恐れがあるため、新築の安全性・耐震性を保障するためにも必須といえます。
地盤調査方法には、「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」「ボーリング調査」「表面波探査法」があり、それぞれ調査にかかる費用や時間が異なります。
調査結果次第では、地盤改良が必要になるケースもあります。
地盤が弱い層が深くなるほど、地盤の強化にかかるお金も高くなるので、事前に費用目安を確認しておくと、資金計画に余裕が持てますよ。
イワクラホームでは将来にわたって確かな地盤品質を20年間保証する「地盤サポートシステム🄬」を採用しています。万が一の不同沈下などの事故が起きても安心の保証がついています。
地盤保証のがある、なしも建設会社によって異なりますので、事前に確認しておくといいですね。
札幌・旭川・苫小牧・室蘭の注文住宅なら、ぜひイワクラホームにご相談ください!