住宅の気密測定とは?方法や回数、気密性の重要性を解説
こんにちは。イワクラホーム旭川支店の開本です。
住宅の気密測定は、建物の隙間の少なさ(気密性)を測る検査です。専用の機械を使って室内の空気圧を変化させ、外からの空気の漏れ具合を確認します。
気密性が高いほど、冷暖房の効率が良くなり、快適で省エネ効果のある住まいになります。
そこで今回は、気密測定の方法について解説いたします。
住宅における気密性の重要性も説明しますので、ぜひあわせて参考にしてください。
住宅の気密測定とは
具体的な方法はのちほど解説しますが、住宅の気密測定とは、建物の隙間の少なさ(気密性)を測る検査です。
隙間が少なければ少ないほど、家の気密性が高いということになります。
「気密性って重要なの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、気密性の高さは、快適な住環境を整えるためにとても重要です。
家の気密性が高いと、具体的には次のようなメリットがあります。
【気密性が高い家のメリット】
1.冷暖房効率が向上
隙間が少ないため外気が入りにくく、室内の温度が安定しやすくなります。その結果、 冷暖房の効率が上がり、光熱費を節約できます。
2.快適な室内環境
外気の流入を抑えられるため、冬は暖かく、夏は涼しい快適な室温を保ちやすくなりま す。
3.防音性が向上
隙間が少ない分、外部の騒音が入りにくく、静かな住環境を実現できます。
4.結露やカビの発生を抑制
気密性が高い家では湿気のコントロールがしやすく、結露やカビが発生しにくくなります。
5.省エネ・環境に優しい
効率的な冷暖房によってエネルギー消費が抑えられ、環境負荷を軽減します。
家の気密性については「住宅の気密性はなぜ必要?気密が高い家のメリットとは」にて詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。
住宅の気密測定の方法について
住宅の気密測定とは、実際にどのような方法で行われるのでしょうか。
一般的な測定の流れや、依頼者側が知っておきたい気密測定のポイントを解説します。
住宅の気密測定の方法・流れとは?
家の気密測定はどのように行われるのか、まずは流れを確認しましょう。
1.準備
- ・測定器の設置: 建物の開口部に測定器を設置します
- ・換気口の目張り: 建物の全ての換気口をテープなどで完全にふさぎます
- ・開口部の施錠確認::全ての開口部がしっかりと閉まっていることを確認します
- ・風速の確認:風速が強いと測定が正確に行えないため、屋外の風速が3m/s以下であることを計測します
2.測定開始
- ・測定器を起動し、圧力差を利用して気密性能を測定します
3.測定終了・結果確認
- ・得られたデータからC値(気密性能を示す指標)を算出します
知っておきたい住宅の気密測定のポイント
依頼者側がぜひ知っておきたいポイントも詳しくお伝えしますね!
測定機器の使用場所はなるべく小さい窓が良い
気密測定には、専用の測定機器を使用します。
主な機器は、室内の空気を外に排出する送風機と、通気量を測るセンサー、測定した数値を表示する測定機本体です。
測定器を家の開口部に取り付けるのですが、隙間が生じやすい大きな窓ではなく、空気の漏れが少ない、なるべく小さい窓を選ぶのがベストです。
すべての開口部をふさいでおく必要がある
気密測定は家にある隙間を調べるものなので、測定前に隙間以外の開口部分を閉じる必要があります。
隙間以外の計画的な空気の通り道を、あらかじめふさいでおくということですね。
そのため、次のようにして、測定の環境を整えます。
- ・ドアや窓を閉める
- ・給気口や排気口を養生テープなど通気性のない部材でふさぐ
- ・換気扇など、換気設備を停止しておく
また、部屋の扉を閉めていると、室内の空気を外へ排出できず、測定に支障があります。
各部屋は開けて、家のなか全体の空間が1つになるようにしておきます。
測定では家の内外の圧力差と通気量を測る
住宅の測定は、住宅内部と外の気圧差をつくって行います。
具体的には、測定器の送風機を回し、家のなかの空気を外に出すことで、住宅内部の気圧を下げて、外気圧との差をつくる方法です。
圧力を下げることで隙間からの外気を入りやすくし、気密性を測るということですね。
測定は一般的に、圧力差を変更して5点以上行います。
「圧力差がいくつのときに通気量がいくら」といったように、それぞれの通気量とともに記録する形です。
そして、測定したデータから、家全体にある隙間をまとめた「住宅全体の隙間面積)」を算出します。
「住宅全体の隙間面積」を延床面積で割ったものが「相当隙間面積(C値)」となります。
C値は以下の方法で計算されます。
C値=住宅全体の隙間面積(平方センチメートル)」÷「延床面積(平方メートル)」
例えば、住宅全体の隙間面積が500㎠、延床面積が100㎡の場合
C値=500㎠÷100㎡= 5 ㎠/㎡
となり、1㎡の床面積あたり5㎠の隙間があることになります。
気密性能の目安
C値については、2009年(平成21年)の省エネ法の改正の際に国としての数値基準が削除されたため、現在は明確な基準値が定められていません。
削除される前の基準では、Ⅰ地域である北海道や、Ⅱ地域である青森、秋田、岩手の基準値は「C値:2.0(cm²/m²)」と設定されていました。
イワクラホームの家のC値は1.0c㎡/㎡以下です。
札幌版次世代住宅基準トップランナー・ハイレベルである0.5㎠/㎡以下を実現しています。
気密測定の費用目安もチェック!
気密測定は、施工会社や測定業者に依頼するのが一般的で、費用は測定1回につき4〜10万円ほどが相場となっています。
依頼する業者によって金額は異なりますし、場合によっては現場への出張費など追加で料金がかかる場合もあります。
気密測定が家づくりのパッケージに含まれている場合もあるため、ハウスメーカーや工務店に確認すると良いでしょう。
快適で省エネな住まいのカギ!気密測定の重要性とメリット
住宅の気密測定とは、家の隙間の面積を測ることです。
気密性が高いと、冷暖房の効率が良くなり、省エネにつながります。
また、家の換気設備以外からの空気の出入りが少なくなるので、外気に含まれる花粉やウィルス侵入や、壁内の結露を防ぎやすくなります。
快適な住環境を整えるには、気密性はとても重要な要素です。
費用は業者や建築場所によって異なるため、まずは、ハウスメーカーや工務店に相談してみてください。
札幌・旭川・苫小牧・室蘭の注文住宅なら、ぜひイワクラホームにご相談ください。