注文住宅の耐震等級とは?各等級の安全性や注意点
こんにちは。イワクラホーム旭川支店の開本です。
地震大国の日本。
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震は、ブラックアウトを含め記憶に新しいところです。
厚真町鹿沼では最大深度7を記録し、道内各地で甚大な被害が生じました。
液状化により建物が大きく傾いた映像をテレビで見て、私も地盤の重要性を再認識しました。(地盤の重要性については「地味だけど大切なこと~地盤調査の重要性について」も合わせてご覧ください)
注文住宅を建てる際に、建物が地震にどのくらい強いかを示す指標の一つとして「耐震等級」があります。
今回は注文住宅を建てる際に気にしたい耐震等級のお話。
耐震等級ごとの安全性や、注文住宅建築時に備えたい耐震等級レベルについて解説します。
注文住宅で気になる耐震等級とは?各耐震等級を解説!
耐震等級とは、建物が地震に対してどのくらい強いかを表す指標の一つです。
地震による建物の倒壊、崩壊のしにくさによってランクが3つに分かれています。
耐震等級1
建築基準法で定められた最低限の耐震性能を満たしている建物。
震度6強から7の大地震でも即倒壊はしないというレベルの耐震性能です。
ただし、即倒壊はしないものの、その後は大規模修繕や建て替えが必要となる可能性があります。
数十年に一度程度発生しうる震度5度程度の地震では、建物の損傷防止にも効果がある、とされています。
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震強度を持つ建物。
震度6強から7の地震でも即倒壊はせず、その後も一定の補修をすることで住み続けられる程度の損傷で済むと考えられています。
学校や病院、警察署などは耐震等級2以上の建物となります。
耐震等級3
耐震等級1の1.5倍の耐震強度を持ち、耐震等級の中ではもっとも頑丈な建物。
震度6強から7の地震でも即倒壊はせず、軽い補修で住み続けられる程度の損傷で済むと考えられています。
消防署や警察署などは耐震等級3を備えていることが多いです。
耐震等級3の重要性と、注文住宅で耐震等級決定時の注意点
日本は地震が多い国ですので、注文住宅の耐震性はとても気になる点だと思います。
2016年に発生した熊本地震では震度7の地震が4月14日夜、そして4月16日未明と、2回連続で起こり(観測史上初)、今まで安全とされていた基準を満たす建物も大きな被害を受けました。
しかし、その中でも耐震等級3を満たす設計の住宅は無害、または軽い被害で済んでおり、今後また起こり得る大地震への備えとして「住宅の耐震等級を3にすべき」と言われ始めています。
注文住宅は大きな買い物です。
耐震等級3にすることで大地震が起こっても倒壊や損壊を免れ、大切な命や家を守れる可能性が高まります。
また、地震保険の保険料には「耐震等級割引」があります。
耐震等級3の住宅の場合、地震保険料は最大50%オフとなります。
大地震が発生する可能性が高いと言われている地域では地震保険料も高額ですので、50%オフの家計への影響は大きいといえます。
注文住宅の耐震等級は自分で決められる
注文住宅を建てる時、住宅の耐震等級は自分で決めることができます。
間取りや予算などと同じように、耐震等級についても情報を集めて検討をし、ハウスメーカーへ希望をしっかりと伝えるようにしましょう。
目安として「丈夫で長く持ち、快適に暮らせる住宅」として行政が認定する「長期優良住宅」は耐震等級2以上の住宅が条件です。
長く安全に住むなら、耐震等級2以上が安心でしょう。
耐震等級の希望を「素人が口出ししても良いのかな?」なんて遠慮はいりません!
住宅の耐震性能について考えたり希望を伝えたりすることは、自分の命や財産を守ることにつながります。
納得できる家づくりのためにもとても大切なことです。
適切な判断をするためにもしっかりと情報を集めて十分な知識をつけましょう。
1つご注意していただきたいのは、耐震等級はできるだけ高い方が良いと言えますが、耐震等級を高めると費用も大きくなる点です。
費用面も考慮して、耐震等級を高めるかどうかの検討をすると良いでしょう。
地震に強い家にする!注文住宅で耐震等級以外の地震対策
注文住宅では耐震等級以外も、次のような点にも気をつけて地震に備えましょう。
免震構造
建物部分とその基礎の間に「免震装置」を設置し、地震の揺れが建物に直接伝わらないようにした構造です。
「頑丈で揺れても損壊しない」ではなく、建物の揺れそのものを軽減させるため、建物の損壊以外にも家具の転倒被害なども防ぐことができます。
制震構造
建物に「振動軽減装置」を設置し、地震の揺れを吸収して建物への影響を軽減させる構造です。
地震の際、上階になればなるほど揺れが大きくなりますが、免震構造ではそんな上階の揺れを軽減させたり、揺れを早く収束させる効果があります。
家具や家電の転倒対策
地震では大きな家具や家電が倒れ、下敷きになってしまう事故も危険のひとつです。
大きな家具は造り付けにしてしまったり、天井に隙間ができないようサイズをピッタリ合わせた設置スペースを作って置くと転倒防止になります。
新築の注文住宅だからこそできる地震対策です。
イワクラホームでもご案内しているツーバイフォー工法は、従来の一般的な工法と比較しても耐震性能が高く、地震に強い住宅として高評価をいただいています。
ツーバイフォー工法は枠組みに面材を張ったダイアフラム構造が基本。
イワクラホームでは床・壁・天井が一体となった6面体構造(2×6、ツーバイシックス)でさらに耐震性能をアップ。
床・壁・天井が一体となった6面体構造で、地震の揺れが一部分に集中せず建物全体で受け止め分散させるため、倒壊や損傷の可能性が低くなります。
実験でも証明されている高い耐震性
2006年に(一社)日本ツーバイフォー建築協会が3階建て実物建物を用いた三次元震動実験を行いました。
阪神・淡路大震災時に神戸海洋気象台で記録された地震波を、三次元的に忠実に再現したこの実験で、3階建てツーバイフォー住宅はほとんど損傷もなく、優れた耐震性能を証明しました。
イワクラホームも所属している日本ツーバイフォー建築協会では、ツーバイフォー工法の優れた性能について子ブタがわかりやすく解説している動画も公開しています。
是非、こちらもご覧になってみてください。
基本性能にプラスして制震性能を高めるオプションもご用意しています。
「制震テープ」は弾性体のテープを家全体にバランスよく配置し、建物ごと揺れを吸収します。
繰り返しの揺れにも強く、実物大実験では、大地震相当の揺れに対して、最大80%揺れを軽減しています。
もう一つのオプションは「制震ダンパー マモリー」こちらは、高減衰ゴムによって地震の揺れを吸収するシステムです。
まとめ
建物が地震に対してどのくらい強いかを示す指標の一つである「耐震等級」。
建築基準法で定められた最低限度の耐震等級1、その1.25倍の強度である耐震等級2、1の1.5倍の強度である耐震等級3の3ランクがあります。
最近は、従来の耐震基準では被害を免れないような大地震も起こっており、「住宅もぜひ耐震等級3とするべき」との声も高まってきています。
注文住宅を新築する際、住宅の耐震等級は施主が自分で決めることができます。
耐震性能の高い家づくりは家族の命や財産を守ることにもつながります。
しっかりと情報を集めて判断をし、納得の行く家づくりを目指しましょう。
イワクラホームでご案内している2×6(ツーバイシックス)住宅も高い耐震性能を有していますよ!
札幌の注文住宅「イワクラホームの家づくり」もぜひご参考くださいね!